2013年2月21日木曜日

大豆パワーを98%吸収できる「豆乳」はスゴイ!


豆乳、その魅力を探る

世界的にも健康に気を使うヘルスコンシャスな人に好んで飲まれている豆乳。近年、日本でも豆乳消費量は増加しており、多くの人が豆乳のパワーを実感しています。豆乳=イソフラボン=女性の飲み物と思っていませんか?
実は、中高年男性のメタボを始め生活習慣病の予防・改善にも絶大な効果を発揮する豆乳には、現代の科学でも解明出来ていない未知なるパワーがあるようです。豆乳の魅力を探るべく、大豆の研究をされている跡見学園女子大学教授の石渡尚子先生にお話しを伺いました。


石渡尚子(イシワタナオコ)
跡見学園女子大学
マネジメント学部生活環境マネジメント学科 教授

「大豆」をテーマに、様々な角度から食生活に与える効果効能の研究を行う。栄養過多による健康問題や、大量に廃棄される食料、食の安全性など、様々な問題を抱える現代の飽食日本。これらの問題を解決するためには、日本型食生活の見直しが必要であることを訴え、その鍵となる食材「大豆」を上手に取り入れて、現在の生活に見合った健康的で環境にやさしい、豊かな食生活のあり方を提案している。

昭和女子大学大学院生活機構研究科博士課程修了、博士(学術)
独立行政法人 国立健康・栄養研究所 客員研究員(200612月~201123月)
社団法人 生命科学振興会 理事(201011月~現在)
大豆機能研究会(Soy Nutrition Institute Japan)幹事(20074月~現在)

豆乳はバランスのよい栄養ドリンク
―豆乳は健康にいいといわれますが、どんな成分が含まれているのでしょうか?
豆乳の原料である大豆には、たんぱく質、脂質、炭水化物の3大栄養素がバランスよく含まれています。それだけでなく、生野菜に多く含まれるビタミンAC、そして魚に多く含まれるビタミンD以外のほぼ全ての栄養素を含む栄養食品なのです。植物性食品でこれだけの栄養素を含む食品は他にありません。しかしこの大豆、実は消化・吸収があまり良くないという難点があるのです。その問題を解決するのが豆乳です。豆乳は加熱してすりつぶしていますので、吸収率は95%以上と非常に高くなります。つまり豆乳は大豆の持っている豊富な栄養素を最大限摂りこむことができる栄養ドリンクといえるのです。

―豆乳といえばイソフラボンと思い浮かべる人が多いと思いますが、それも栄養素の1つなのでしょうか?
大豆イソフラボンは摂取することで健康増進に効果を発揮するとされる機能性成分の1つです。大豆の機能性成分は、現在20種類以上も認められています。その代表ともいえる大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをするため、更年期障害や骨粗鬆症、月経前症候群、乳癌など、女性特有の症状の予防・改善に役立つ女性にとって心強い成分です。しかもこの大豆イソフラボンは女性だけでなく、男性の前立腺がんの予防にも効果があるなど、非常に多彩な働きをすることがわかっています。他にも動脈硬化や肥満などの改善に役立つとされるレシチンやサポニンなど、大豆の機能性成分は多岐にわたります。また3大栄養素の1つである大豆たんぱくは、血清コレステロールを下げる働きをすることが、欧米の研究でも示されており、日本でも特定保健用食品として認められています。特保に認定されている機能成分の6%が大豆関連成分なんですよ。
どうしてもこのような機能面に関心が向きがちなのですが、それ以前に、何よりも大豆のすばらしさは基本の栄養素が大変豊富であるということなのです。基本の栄養素の吸収が十分にできベースが整ってこそ、初めて機能性成分が有効に働くのです。栄養バランスが整っていない環境で、機能性成分の多種類のサプリメントを摂ったところで効果は発揮されないわけです。その点、大豆や大豆製品、特に豆乳はベースとなる栄養バランスを整えて、機能性成分の働きを最大限発揮させることができるのです。

手作り豆乳は栄養豊富で美味しい、それが何よりの魅力
―豆乳はどれくらいどのように飲むのがいいのでしょうか?
時間的余裕のない朝食は、どうしてもパンやご飯といった炭水化物に偏りがちですが、特に代謝を活性化させるたんぱく質を一緒に摂ることがとても大切です。しかし、現実的には朝から魚や肉を用意するのは大変です。そのような時にたった1杯の豆乳をプラスするだけで、栄養バランスは非常によくなるのです。豆乳の場合、おからを取り除くことで食物繊維が一緒に取り除かれてしまいますので、できれば黄色野菜を一緒に摂ると、食物繊維に加えビタミンACも加わり栄養バランスがとても良くなります。豆乳に野菜を加えてスープにするなど、工夫するといいですね。豆乳を手作りすれば、おからも同時にできますので、それを料理に利用すれば、食物繊維も取り除かれることなく、大豆をまるごと摂取することができます。

―特に効果的な豆乳の摂り方はありますか?
豆乳に含まれるビタミンB群は、エネルギーとなる栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物を、体内で効率よく燃焼させるのを助ける役割があります。しかし、ビタミンB群は水溶性で壊れやすいという特徴がありますので、ご家庭で作られた、新鮮で温かい豆乳を飲むのが健康に最もいいですね。作り立てが最も多くのビタミンB群を摂取することができます。しかし、栄養や成分よりも何より、作りたての豆乳はとても美味しいということが一番です。作りたての温かい豆乳は、市販のパック豆乳では感じられない、甘み、うまみ、香りが感じられるので、豆乳が苦手という人でも美味しく飲めると思います。いくら栄養価が高い、身体にいいといわれても美味しくなければ続けられません。毎日継続して飲むことがとても大切ですから、美味しいということが一番ではないでしょうか。それに加えて豆乳は材料の大豆が保存食品で安いということも大きなメリットですね。毎日新鮮な材料を揃える必要がない、しかもコストが安いということは、継続するために重要な要素です。

毎日続ける為の【3つのポイント】
     【手作り豆乳】は美味しい 美味しいことは続けることの1番の条件
     【手作り豆乳】は経済的  やっぱり家計の負担は軽いほうがいい
     【手作り豆乳】はお手軽  買い貯め出来る乾燥大豆と水だけで出来る

がんに効く、動脈硬化の予防効果があるといった情報に、世間は飛びつきやすいのですが、飛びついたはいいが美味しくなければ続かないですし、材料の調達が面倒であったり高価であれば続かない。それに加えて機能性成分がいくらあっても、ベースとなる栄養バランス(三大栄養素等)が整っていなければ全てが機能するわけではない。そういうことをトータルで考えると、手作り豆乳はバランスのよい栄養ドリンクといえるわけです。

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